少し専門的ですが、五人囃子の童頭の形を向かって左から紹介します。
・大きく口を結んだ太鼓:どんずりに結び上げの鬢(びん)、髪がワンカ、やっこ鬢はり
・口開きの形の大鼓(おおかわ):どんずりに前下げの髪、長い下げ結びの鬢
・ちょぼ口の小鼓、どんずりに長く下げ結びの鬢
・吹きよせ唇の笛:カムロの髪型
・口開きの謡
(紹介した結髪・面相については、頭師としても長老である鈴木柳蔵、石川潤平氏にその確認を仰ぎました)
こうした一連の五人囃子の規格は広く使用され、昭和30年頃までその形式は続きました。
その姿は当時はごく当然のものとして扱われていました。
またその当時までは、親王、官女、五人囃子、随身、仕丁はそれぞれ組雛として桐箱や前硝子の飾り箱などに入れて販売されていました。
これは御殿飾りや雛段飾りが十五人揃えになるのを前提にして、好きなようにひな壇の十五人を集められるというもので、自由で縦横な販売がされていました。
ですが現在では、五人囃子の髪型はみな同じというものが広く販売されています。