初正月を迎えるお子さんへ鬼除けの風習ー破魔弓、羽子板を飾ること
お客様によく質問を受ける内容として非常に多い項目が
羽子板を「いつから飾るか」についてです。
日本が農業国家だった時代は、暦をベースに生活しており、方位や時間が十二支と深く関係していました。
この時代はよらしむべし、知らしむべからずと言うように、上からこうしなさいと説明しないままに全てを通す世の中が長く続いていました。
京都御所を訪れた際、学芸員からの説明の中に陰陽や五行思想が帝王学としてあったと言う話がありました。
五行思想の考え方では1年を5つに分けます。
四季の春夏秋冬それぞれのあとに18日間土用という期間をつけます。
夏の土用は鰻で有名ですが、土用というのは土の意味を表していて、モノを育て生む力を持つと同時に腐らせて失くす力も持っています。
夏が終わると夏の土用がきて、夏という季節をなくし、新しい季節を生み秋がやってくると言うような考え方です。
ですから秋の後の土曜始まる12月の中旬というのが、答えです。
飾る時期の一番ベストなタイミングは12月中旬になります。
今のカレンダーでいうと、元旦から18日間を引くと12月13日頃が正月始めとなっておりますので、羽子板、破魔弓もこの頃から飾り始めます。
もうひとつ、昔の暦の考え方でいうと、暮れが丑の月、お正月は寅の月です。
丑のツノに寅のパンツといえば鬼ですね!
夜明け前の丑寅の時間は、鬼が出入りする時間と言われており、昔の人は忌み嫌っておりました。
その時間、赤ちゃんに邪気が憑かないようにという思いで鬼除けの飾り物をしたというふうに考えています。
しまう時期について…
土用が終わり、半月が過ぎ、どんど焼きが行われる一月の中旬頃、季節も春へ向かう循環も定まります。そこで、お子さんの新しい年を無事に迎えられたことを感謝し、おしまいいただくことがよろしいかと存じます。ここで、羽子板破魔弓は、一年の役割を果たしたとするわけです。