【現代の名工】が継承する節句の話

次の次の世代の誕生への願い -雛人形に込められた願い4 -

次の次の世代の誕生への願い -雛人形に込められた願い4 –

次の次の世代

結婚式というのは、たんに男女が結ばれるだけのお祝いではなく、次の世代の誕生を祈り、促すための意味もこめられています。

その昔、日本での原始信仰では、人は誕生する時、肉体と共に霊魂を具えてくると考えました。人は肉体だけでは生きられず、活動するには魂が不可欠とされていたのです。

婚礼の儀によって男女の霊魂が結ばれると次の生命が生まれ、死によって魂が肉体から抜け出すと信じられていました。

そうすると、ひな壇の結婚式というのは良縁の願いに加え、「次の世代に恵まれますように」という祈りも込められていると言えます。

 

次の次の世代

 

ひな壇の中には、日本創生神話にある伊邪那岐(いざなぎ)・伊邪那美命(いざなみのみこと)の男女の神にまつわる品々や儀式がこめられています。

例えば三人官女は、婚礼の儀の進行役です。左右の女性は巫女姿で神酒を注ぎ、中央の女性は婚礼の儀の司会進行を務め、祝詞の口上を述べます。

 

現代の結婚式は「男女の愛を誓う」という形が多いようですが、もともと神社で行われている婚礼の儀の様式は、生命(子ども)の誕生にまつわる神様に祈るものなのです。

 

結婚式の形をとっている初節句には、すでに次の次の世代の誕生をも願う心がこめられているのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です