高砂人形は、共に白髪になるまで仲むつまじく添い遂げることを願って
結納などの夫婦和合と、還暦祝いや敬老の日など長寿の祝いに贈られる縁起物です。
夫婦仲良く「お前百(掃く)までわしゃ九十九まで(熊手)」とそれぞれの手に熊手と箒をもち、
互いの長寿を願います。
おじいさんが持つ熊手は、福をかき集め、おばあさんが持つ箒は、厄を祓い、寿福を抱くという意味があります。
高砂の由来
結婚式などで謡われるめでたい能の曲「高砂」の中に、「相生(あいおい)の松」という伝説の松があります。「高砂」のおじいさんとおばあさんは「尉(じょう)と姥(うば)」といい、二本の「相生の松」の精として能の中に出てきます。
「相生の松」は、兵庫県の高砂神社の「高砂の松」と、大阪市の住吉大社の「住吉の松」の2本を合わせてこう称します。
「遠い地にあっても、夫婦のようにお互いを思う気持ちがあれば、心を通わせられる」
ということから、二本の松は合わせて「相生の松」と呼ばれていました。
高砂人形では能の「高砂」と同じように人形は能の衣装を着て、おじいさんは住吉の松の精、おばあさんは高砂の松の精として、互いの長寿と夫婦和合を祝って舞う姿を表現しています。
飾り方
向かって尉(おじいさん)を左、姥(おばあさん)を右に飾り、おじいさんは熊手を、おばあさんは箒を持ちます。
互いにやや内側むきに置くと、夫婦仲が良いように飾れます。