【現代の名工】が継承する節句の話

五人囃子だけが子どもの顔 -七段飾りを読み解く8-

五人囃子だけが子どもの顔 -七段飾りを読み解く8-

さて、どうして五人囃子は童顔なのでしょうか。

親王対雛(おひな様とおだいり様)を主役とした七段飾りの雛十五人揃。その中でも五人囃子の組雛(幾つかで1まとまりの雛)は、ひな祭りを音楽で囃す、欠かせない存在です。

赤ちゃんの形代(かたしろ)でもあるおひな様・おだいり様のために、健康で良い一生を送れますようにと、穢れない幼な子の姿で五人囃子にうたい上げてほしい。そんな意味をこめたのでしょうか。

 

ひな壇には男女対雛を最上段に、三人官女がすぐ下の段、三段目に五人囃子、四段目は随身、五段目に供仕丁で十五人の雛が陳列されます。

その中で五人囃子の組雛だけは、唐子(からこ:中国風の服装や髪型をした子ども)の童顔が用いられ、他の雛たちには成人した顔立ちと髪型の頭(しょう顏)が用いられてきたのです。

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